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12章:爆弾 (1/11)

12章:爆弾

成美の車が出ていくのが光の部屋の窓に映った。

忍は、気付いているのだろうか?

他の男に抱かれる妻を抱けるのか?

光の頭の中は、爆発寸前だった。

大好きだった沙耶は、姉を抱き…

光は…

沙耶の家の玄関の前に立っていた。

光自身、なぜ沙耶のところに行ったのか分からなかった。

どれくらい立ちすくんでいたのだろう。

沙耶が光に声をかけるまでどれくらいかかったのだろう。

真冬の空の下、スエット姿の光の体は、冷えきっていた。

大きなお腹をした沙耶は、驚いた顔をしたが、何かあったと悟り光を笑顔で中に入れた。

沙耶は光に何も聞かず温かいココアをいれた。

もうすぐ産まれるの。沙耶が言った。

光は…

ココアを飲んだ。

冷えきった体ばかりではなく、冷えきった光の心にもココアの温かさがしみた。

なぜか沙耶のお腹の中の子供の事を素直に喜べていた。

いつ産まれるの?光が聞くと

あと、一週間ぐらいかな〜

光は、沙耶に質問をし続けた。

旦那さんを愛しているか?
何故、人はセックスをするのか?

次の子供は、男か女か?

沙耶は、優しく答えていたが…何故、滋とセックスをしたかと言う質問には、答えられなかった。

そして、沈黙が続いた。
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マネキン ©著者:誉

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