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6章:仁義崩れ (30/30)



それから密造所のメンバーと石川が顔合わせした。その後2人は家から出て車に乗り込みまた走り出した。

「石川さん、さっきの場所の話は僕らだけの話にしといて貰っても良いですか」

「ワシもそのつもりだったわぃ、色々とややこいけぇ〜のぅ」


「基本的には石川さんが直で動く事は無いです、けどガサの話やらが耳に入ったら逐一教えて下さい。それと最後にもう1つお願いがあります」


「なんなら」


内容を聞き石川はすぐに名案が浮かんだ。


広島市内で99年の恵比須講と呼ばれる大規模な祭りで未成年の暴走族は激しい激突を警察とし、強烈な荒れ様だった。それ以降暴走族は減少して行き、05年に施行されたタムロ禁止や特効服の着用禁止等の条例が出た。青少年の暴走族による非行は激減、背景にあった『面倒見』と呼ばれる暴力団員の金の集金。実際はどのチームが揉めようと上が出てくる事はほぼなかった。反目のチームの2つの暴走族を面倒見していた組織の人間もいたが、暴走族の減少により無くなった。


青年は市内、特に過去の集会の聖地広島パルコ裏のアリスと呼ばれる広場。そこでド派手に暴れさせて警察の警戒地区を市内に逸らせてくれといった事だ。石川は楽勝だと思った。


それから市内の方まで青年が送り、流川で石川を降ろした。


石川の出だしは絶好調であった。
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街のカルテル ©著者:春樹

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