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6章:仁義崩れ (2/30)

石川がいわゆるシャバの空気を吸いながら、別に大した違いは無い事に気付いた。塀の向こうもコッチ側も、石川にとっては何も変わらぬと分かっていた。しがらみだらけの世の中だ。


「兄貴っ!」石川の舎弟、テルが駆け寄って来た。タバコを差し出し石川がくわえたタバコに火をつけながらテルは思った。

『ここから兄貴と2人っきりかよぉ、勘弁せぇ〜よ』

石川がタバコの煙を吸い込み吐き出した。石川は久しぶりのタバコで少し目眩がした。


左手をスーツのスラックスのポケットに手を突っ込み、肩を軽く切るように揺らしながらサングラスをかけた石川とテルは、これからJRに1時間近く乗り新幹線がの乗り口がある駅へ向かった。


「でぇ、どがぁなや組の方は?お前もシャンと極道出来よるんか?」

お前が極道を語る事がどれだけアホ丸出しなのを何故兄貴は気付け無いのだろうか?等とテルは考えながら返答した。


「兄貴が居ない間には特に何も起こらず平和な日々が続いてましたよ」事務所付近の組のお抱えのキャバのボーイをしているテルは何時もの営業スマイルで答えた。


フンッと鼻で笑い、石川が言った。「ほぉか、オドレはワシに皮肉でも言いよんかぁ」

テルはビクリとしながら即否定した。石川が笑っているのを見てテルは落ち着いた。



新幹線乗り場のある県内で最も大きな駅に着いた。新幹線乗り場を目指して2人は歩く。エスカレーターを登り切り新幹線の乗り場の出入口に、今田を筆頭に今田組の若い衆十名程と石川の親分である三川の命で来た西島組の若い衆数名が石川を出迎えた。


小走りでスーツ姿で真っ白なネクタイを付けた今田が石川へ向かって来た。


「力ぃ〜っ!おどりゃあ元気にやっとったんかいっ!」

今田は満面の笑みで石川を出迎えた。
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街のカルテル ©著者:春樹

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