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36章:指輪 (1/1)

36章:指輪


我家は母子家庭。
もちろん裕福ではないけど、つつましく暮らせば、生活に困るような事もないような家庭のつもりだったのですが。

ある日、元々指輪など装飾品にそれほど興味のなかった私が珍しく、超々安物の指輪を気に入って購入した夜。

私「ねえ、これかわいいでしょ〜?」(本当に気に入ってたから)
小4の息子「買ったの?」

私「うん、どう?」

息子「高かった?」

私「まっさかーー、500円だったかな」


その後、何故か息子は下を向いて黙ってしまい、どうしたのかと思ってたら、

「俺が大きくなったら、すっごい高い指輪買ってあげるから」

って涙ふきふき言われてしまいました。
買えないから買わないのももちろんあるけど、我慢するほどそういうのが欲しい私ではなかったのに、息子は、きっと勘違いしちゃったんだろうなって。
でもそんな気持ちが嬉しくて、私も泣き笑いしちゃった。

これから先、何があってもこの子がいてくれたら乗り越えていける、
って改めて思わせてくれた夜でした。

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ちょっと泣ける話 ©著者:メルシー

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