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34章:タロー (1/1)

34章:タロー


小学生の時だった。
学校帰りに段ボール箱の中から
「クゥーン」と・・・。

開けたら子犬が一匹!
あまりにかわいいから連れて帰ったが、おやじはもっぱらの犬嫌い・・・。

次の朝(日曜日)、子犬はいなかった・・・。
おやじもいなかった・・・。俺は部屋で泣いてた・・・。外は雨が降っていた。



=あれから8年=

昨日知ったんだが、実はおやじが遠くまで捨てに行ったんだ。

その時、最後に牛乳をあげて

「いい人に拾われろよ」

と言って捨てたらしいんだ。

だが、その1時間後に雨が降り出した。気になったおやじは再び捨てた場所へ戻ったんだ。

子犬のくせにおやじの事覚えてたのか、遠くから雨の中を走って来たらしいんだ。
もっぱら犬嫌いのおやじだったが、今回ばかりは仕方ないと思い連れて帰って来たらしい。


それから8年間、タロー(犬の名前)はうちの家族だった。

夕べ、タローは病気で死んだんだ・・・。

おやじに抱かれながら・・・。
その時、家族みんなは知ったんだ。


タローが1番好きだったのはおやじだったんだと。


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ちょっと泣ける話 ©著者:メルシー

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