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16章:保護メール (1/1)

16章:保護メール


去年3月に定年を迎えた父に兄と私で携帯電話をプレゼント。
退職前は携帯などいらんと言っていたがうれしそうだった。

使い方に悪戦苦闘の父に一通り教えてまずメールを送ったが返事はこなかった。

その6月に脳出血で孫の顔も見ずに突然の死。

40年働き続けてホッとしたのはたったの2ヶ月。

葬式後父の携帯に未送信のこのメールを発見した。

最初で最期の私宛のメール。
私は泣きながら送信ボタンを押した。
私の一生の保護メールです。


「お前からのメールがやっと見られた。
返事に何日もかかっている。
お父さんは4月からは毎日が日曜日だ。
孫が生まれたら毎日子守してやる。」


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ちょっと泣ける話 ©著者:メルシー

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