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14章:生んでくれてありがとう (1/1)

14章:生んでくれてありがとう


俺んち母子家庭で貧乏だったから、ファミコン買えなかったよ。。。
すっげーうらやましかったな、持ってる奴が。

俺が小6のときにクラスの給食費が無くなった時なんて、

「ファミコン持ってない奴が怪しい」

なんて、真っ先に疑われたっけ。

貧乏の家になんか生まれてこなきゃよかった!って悪態ついたときの母の悲しそうな目、今でも忘れないなぁ、、。

どーしても欲しくって、中学の時に新聞配達して金貯めた。

これでようやく遊べると思ったんだけど、ニチイのゲーム売り場の前まで来て買うのやめた。
そのかわりに小3の妹にアシックスのジャージを買ってやった。
いままで俺のお下がりを折って着ていたから。
母にはハンドクリーム買ってやった。いっつも手が荒れてたから。

去年俺は結婚したんだけど、結婚式前日に母に大事そうに錆びたハンドクリームの缶を見せられた。

泣いたね、、。
初めて言ったよ

「生んでくれてありがとう」

って。

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ちょっと泣ける話 ©著者:メルシー

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