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9章:温もり
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ん…
何だか温かい。
重たい瞼を開けると辺りは薄暗かった。
温もりを感じる手の平を見ると、スヤスヤと眠る翔が私の手を握りしめていた。
私は何故ベッドに横になってるのかな?
すぐに働かない思考回路で思い出す。
雨に打たれて…玄関先で…
あれ?
それから先は思い出せない。
どうして翔が居るのかな?
怠い体を起こし部屋を見回す。
ここ何処…?
私は見覚えのない場所に居た。
部屋には小さなバスケゴールが有り、本棚には沢山のマンガ本が有る。
男っぽい部屋…
まさか翔の部屋?!
私は急に翔の部屋に居る事に恥ずかしくなり、顔が熱くなった。
「ん…先輩目覚めたの?」
翔は目を擦りながら体を起こし、部屋の電気を点けた。
「風邪ひいて玄関先で倒れてたんで。ずっと看病出来ないから家に連れて来ちゃいました」
テーブルの上を見ると、水が入ったグラスと薬があった。
私…風邪ひいて倒れてたんだ。
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