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32章:愚かな恋人たち
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32章:愚かな恋人たち
愛した君のために
愚かな君を葬ろう
…闇へと
君を美化しすぎていた僕も、
また愚かで
君は僕を愛しているから
僕を拒めない
最期のその瞬間まで
僕にすがりついてくるだろう
愚かな君を葬れば
美しい君の記憶だけが
僕の中に残るだろう
いくらでも泣きなよ
愚かな君を救う気は
更々ないんだ
そんな僕もとても愚か
些細な過ちすら許せなかった
愚かな君を葬る方法を
紅茶を飲みながら考えていたら
背後から美しい君はやってきて
愚かな僕を葬ろうと
僕の首にその細く白い指をかけた
君の手は冷たいな、なんて
呑気な事を思った
君も僕も結局愚かだね
思わず僕は笑いだした
君も笑ってた
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一瞬の輝きを永遠に ©著者:香耶
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