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7章:川村佐智子:Ⅵ
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翌日、佐智子は会社を休んだ。
あのあと部屋に戻ったが、何もする気になれず、服を脱ぐと深海に潜っていくような、深い眠りに落ちた。
朝いつも時間に目が覚めたが、身体がなんとなくだるかった。
頭の中は、ぼぅとしていた。
とても仕事をする気にはなれなかった。
ベッドの中で、昨夜の事を思い出す。
(なぜ、あれだけの事であんなに感じてしまったの?)
佐智子はそれほど、性欲は強くない。
むしろ、セックスは面倒な作業としか思ってなかった。
人数はそれほど多くないが、年相応の経験は積んできたつもりだった。
男性が求めてくるから、それに素直に応えてきただけだった。
それなりに、気持ち良さを感じることはあったが、ただそれだけだった。
自分の指で慰める方が、余程気持ち良かった。
自分から男性を求めた事などなかった。
セックスは男性の性欲処理、その程度にしか考えていなかった。
自分は性に関しては淡白なんだと。
でも今は違う。
身体が疼く。
セックスを、男性を求めて。
いや、求めているのは、『Pleasure Room』とユウイチの指先、唇、囁く声なのかもしれない。
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