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4章:川村佐智子:Ⅲ
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「あっ、はい。それでお願いします。」佐智子は思わず、そう答えていた。
「それでは、明日の19:30にお待ちしております。」男性はそう告げると、静かに電話を切った。
電話が切れた後、佐智子はソファーにしばらく考え込んだ。
(明日の19:30…、とうとう扉が開く…)
(本当にこれでよかったのかしら…)
やはり、後悔の念が浮かんでくる。
(どんなことが待ってるの…?)
(もうひとりの自分って何…?)
しかし、何かに期待する気持ちも沸き上がってくる。
どうせ今日はなかなか寝付けないだろう、そう考えた佐智子は簡単にシャワーを済ませ、ロックグラスに大きめの氷をひとつだけ入れて、ベッドに腰掛けた。
ロックグラスに焼酎を注ぐ。
佐智子はグラスに口を付けながら、明日起こるであろう出来事に思いを巡らせる。
そして、そのまま眠りに落ちた。
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