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4章:川村佐智子:Ⅲ
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それが昨夜の出来事だった。
(招待状はいつ届くんだろう?)
しかし、佐智子には腑に落ちない点がひとつあった。あのサイトにはメールアドレスを記入する欄はどこにもなかった。
招待状はどうやって送られてくるのだろう?
『Pleasure Room』では何が行われるのだろうか?
佐智子はその事が気になり、その日は仕事に集中できず、定時ちょうどに会社を出た。
19時過ぎに、佐智子は独り暮らしのマンションに到着した。メールボックスから郵便を取り出し、エレベーターに向かう。
佐智子の部屋がある7階へと上昇するエレベーターの中で、郵便物をチェックする。
美容院の案内状や電気料金の請求書の中に、真っ白な封筒があった。
表には「川村佐智子様」と宛名があるだけで切手は貼ってなかった。
(…何これ?)
佐智子は封筒をひっくり返した。
差出人の名前はない。今どき珍しくシーリングワックスで封じてあった。その真っ赤なシーリングワックスをよく見ると「13」の数字が刻印されている。
(…? まさかこれって…)
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