3章:川村佐智子：Ⅱ (10/10)

佐智子はマウスポインタをイラストの扉まで移動させたが、クリックするかどうか迷っていた。

（変なサイトに接続しちゃったらどうしよう…）

（架空請求とか来ちゃうかも…）

だが不安よりも好奇心の方が勝っていた。
何しろこのサイトには月に一度しかアクセス出来ないのだ。
今日のこのチャンスを逃すと来月の13日まで待たなければならない。

佐智子は恐る恐るイラストの扉をクリックした。
扉がゆっくりと開いていく。

画面が変わった。

《ご登録ありがとうございます。貴方様に『Pleasure Room』への招待状をお送りします。招待状がお手元に届くまでしばらくお待ち下さい。》

とメッセージが現れた。

（やっぱり、ここだったんだ…。噂のサイトは本当にあったんだ。）