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10章:小林仁美
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昼下がり、レースのカーテンから柔らかな日差しが、室内に入り込んでいる。
「……ん、……あっ、あぁ……」
その室内に、悩ましい喘ぎ声が微かに響く。
ソファーに横たわる女性。
その胸元は大きくはだけ、左手がその中で妖しく動く。
スカートは完全に捲り上げられ、ショーツは、右の足首にかろうじて引っ掛かっていた。
股間に埋まった右手の動きが激しさを増していく。
湿った卑猥な音が、徐々に大きくなる。
「…………」
女性の身体が仰け反り、動きが止まった。
レースのカーテンだけが、静かに揺れている。
淫らな行為を終えた、小林仁美は軽い自己嫌悪を覚えながら、衣服の乱れを整えた。
仁美は半年前に結婚したばかりだったが、最近は退屈な午後に、こうして独り淫らな行為に耽ることが度々あった。
夫の孝之に不満がある訳ではなかった。
むしろ、夜の営みに関しては満足していた。
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