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9章:ユウイチ:Ⅰ
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結局、ふたりの痴態は朝まで続いた。
窓の外が白み始め、街の灯りが朝日に溶けだした頃、ユウイチはようやく玲子から解放された。
玲子がベッドで眠ったのか、そのまま部屋を出たのかさえ、記憶になかった。
ユウイチが眠りから覚めた時には、太陽はもう傾き始めていた。
部屋の中には、ふたりの汗の匂いと痴態のときに発せられた体臭が、充満していた。
頭の中には、白い靄がかかり、まだ意識がはっきりとしない。
ユウイチはミニ冷蔵庫からミネラルウォーターを取出し、一気に飲み干した。
何か書き置きがあるかと思ったが、それらしき物は何も残されていなかった。
疲労感が充満したユウイチの身体は、まだ睡眠を欲しがっていたが、この部屋から一刻でも早く立ち去りたいユウイチは、無理矢理に身体を引き起こし、バスルームへ向かった。
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