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8章:香織 2
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8章:香織 2
「そろそろティータイムね」
「もうかい?」
「いいでしょ、行きましょ」
「ハイハイわかりましたよ。案内してくださいな」
私達は再び車に乗り山中湖を周回した。
「もうちょっと先、あっそこそこ」
香緒里が指差すお店を見て全身血の気がひいた
「緑に囲まれて素敵なお店でしょ」
「……」
知っている。
それも遠い昔…。
思い出が重すぎてその時以来一度も来ていない。
なぜ?
偶然にしては残酷な運命だ…
私は無言のままお店の脇に車を停めた
「さあ、行きましょ、なんでも美味しいわよ」
「ああ」
二人はお店のエントランスへと歩いた。
私はここて香織に突然別れをつげられたのだ。
あの日も今日の様に爽やかないい天気だった。
突然香織がバイクで山中湖へ連れて行って欲しい、と言って来たのだ。
もともと香織とどこか遠くに行きたくて暇を見ては日雇いでアルバイトしてやっと手に入れたバイクだった
しかしガソリンを入れるお金も無くなかなか乗れなかった。
それでも香織が初めて連れて行ってと言ったのだ。
私は親に必死に頼みこんでガソリン代をもらった。
完璧に整備をしてピカピカに磨き上げ香織と山中湖へツーリングへ出かけた。
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