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3章:香織
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3章:香織
学生の頃の私は幼少の頃から続けている野球に没頭するスポーツ少年だった。
高校一年の春に突然同級生の香織から声をかけられスポーツしか無かった頭の中の半分が香織になった。
交際は初めてではなかったが私は香織に運命的な出会いを感じていた。
野球部の練習の合間には許す限り香織との時間を過ごしていた。
とはいえ当時の高校生の交際なんて知れたもの、まして部活をしている私にはバイトをする時間も無くお金もこずかいを節約して貯めた小銭程度しか持ち合わせていなかった。
それに比べ香織は部活などには所属せず自宅の近くの喫茶店でバイトをしていたので当時の高校生にはあり得ない位にお金を持っていた。
お金の無いにもかかわらず香織のバイト先に行き美味しいかもわからない珈琲に500円も出して彼女のバイト上がりを待っていた。
働く香織は楽しそうでとても明るく輝いていた。
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