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15章:死産
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次は体中が痺れ始めた
目の前がぼやけて薄くなっていく
力が抜けていく‥
一体何が起こってるんだ?
口に酸素マスクらしき物を装着
その瞬間、意識が遠退いた
目を覚ますと母がいた‥
何かホッとした『終わり?』母に訪ねた
母は首を横に振った『え?』
私は意識を失なってしまい
陣痛が止まってしまったらしい
‥と言うことは?
始めから?
子宮口を器具で広げて?
陣痛が来るのを待って?
またあの痛みに永遠と耐えるの?
何時間も?嘘でしょ?
本当だったら今日退院出来たのに
一日延びてしまった
もう嫌だよ、帰りたいよ。
涙が溢れ出した。
どこからか赤ちゃんの産声が‥
喜びながら面会に来る患者の身内
みんな、笑ってる
幸せそう‥
なのに私は何してるの?
入院している人達は
あの痛みに耐えたら幸せが訪れる
可愛い寝顔、元気な産声、
小さな手、頭を撫で、抱きしめる
私には何もない
神様って本当にいるの?疑った
そして絶対にいない、そう思った
私は大地に電話をした
今でも覚えてる‥そして
その電話で覚悟を決めた。
“別れよう”
受話器の向こうからは楽しそうな
笑い声‥大地は一言『何だよ』
私が入院してるって知ってるよね
そしてその一言で一気に冷めた。
凄く悔しかった‥
私がこんなに辛い思いしてる中
大地は笑い、遊びほうけている
最低な男‥
本気で愛してた自分が馬鹿だった
その時気付いた。
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