7章:カルテ (2/8)

楽しかった２泊３日の京都旅行もあっと言う間に終わり…



東京に帰って来た次の日の午前中…私はソープランドの出勤前の時間を利用して吉原の産婦人科を訪れた



この仕事を始めて以来…ひと月に一度の割合で私はこうして性病検査を含める婦人検診を受けていた



お店から徒歩５分の距離にある…優しそうなお爺ちゃん先生が１人で開いているレトロ感満載のの産婦人科だった





普段なら検査後特に異常が無いとその場で直ぐに帰してもらえるのだが…この日はいつもと違った




「…ええーと…君は確かピルは飲んでないんだよねえ？」


と言いながら茶色いセーターの上に白衣を着たお爺ちゃん先生は私のカルテを老眼鏡ごしに見ながら口にした



「…はい、何回か試したんですけど…気持ち悪くて耐えられなくて…やっぱり完全スキン着用店でも飲んだ方がいいですよね？」



「…いやいやそう言う事じゃなくてね？…君、最後の生理はいつ来たの？」




「…？…そう言えば１ヶ月位遅れてます、元から不順なんで」




「…だよねぇ…」




「……？」







その直後…お爺ちゃん先生は驚くべき事を口にした










「……君今自分が妊娠してるの気付かなかったの？」