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6章:紅葉
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「…やっぱりこの時期だと葉っぱはほとんど枯れ落ちちゃって殺伐とした雰囲気だね…弓ごめんね?紅葉の綺麗な時に連れてけなくて」
「ううん、全然!…今の方が逆に空いてていいよ…どうせならゆっくり見たいしね」
12月の始まり…本格的に冷え込んできた冬の夕暮れ時の事だった
私達はこの時以前から計画していた京都旅行に来ていた
京都を訪れたのは…遥か昔の中学時代の修学旅行以来だ
しかしその時は今とは違い紅葉真っ盛りのシーズンでただでさえ一般観光客で混んでいる中…私達田舎者丸出しの学生はちーちくぱーちくぞろぞろと引率され…まったく落ち着かなかった記憶がある
あの時と同じ地とは思えない程に今回の京都は空気が澄んでいて綺麗だった
「もうそろそろ本格的にクリスマスシーズンでしょ?この旅行終わったら当分は僕連休何て取れないからさ…」
「…そうだね〜、明のとこなんてめちゃめちゃ忙しくなりそうだね…うちですらたかがホームセンターの癖に20日あたりから店員みんなでサンタ帽子かぶらないか?とか店長が発案してきてさ…」
「あはは…鈴木さんそういうの好きそう」
そんな話で笑顔をつくりながらも…私は田中君の横で一年前のクリスマスの事を思い出していた
散々悩んだあげくトワへのプレゼントは…トワが大好きなドルチェ&ガッバーナの新作のサングラスにした
「何が出るかな♪何が出るかな♪」
と歌いながら私から受け取った箱をキラキラした目で開いた彼は
「…!!わあー!!弓ってエスパー伊藤?!何で俺が一番欲しがってたのがわかるの?!」
と声を張り上げながら薄暗い店内にも関わらずそのサングラスをかけてはしゃぎ始めた
「うんっ!似合う似合う♪良かった〜」
とその姿に対して私が感想を述べた直後に薫君が
「…あれ?でも確かトワさん全く同じのこの前貰ってませんでした?」
となかなか彼らしい地雷をキョトンとした顔で一言
「薫お前バカか?!…よく見てみんしゃい?俺が持ってるのは同じやつの茶色!これは黒!…服装に合わせて変えたりするもんね」
とそれに対してトワは焦る様子なんて少しも見せずにそう応えた
そのサングラスは一色しか販売されていない事を…昨日買いに行った時点で私は知っていた
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狂ってた… 後半 ©著者:弓
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