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4章:田中君
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季節は移り変わり…気付けばもう時期また夏をむかえようとしていた
私とトワが初めて出会った一年前の梅雨の時期と違い…今年の梅雨はカラっと雨が少なかったせいでわりと過ごしやすかった
春の始まりから夏にかけては余程の花粉症で無い限りは誰だって気分がいい
そんな心地の良い気候も手伝ってか私と田中君との交際は自分でもびっくりするほど順調に進んでいた
…トワと会わなくなってからもう時期半年が経とうとしていた
当然の事ながらあれから一度もプラチナには行ってないどころか……新宿に住んでいるにも関わらず歌舞伎町にすら一歩も足を踏み入れていない
歌舞伎町とはどっぷりハマる時はハマり…いったんそこから離れると、本当にそんな街が存在していたのかと疑ってしまう位に異世界に感じる不思議な街なのだ
私は相変わらず…ホームセンターでのバイトの合間をぬってソープランドの方にもごくわずかではあったが出勤していた
特に生活に困っていたわけではないのだが…いまいち上がるタイミングを失ってしまったのと…あと単純に貯金が楽しくなっていたのだ
勿論私がソープランドに勤めているなどと言う事は…大手百貨店に入社して間もない新人ほやほやで今が一番頑張り時の田中君には内緒だった
ホームセンターのバイトの日以外は埼玉の老人ホームでボランティアをしていると適当に嘘をついた
ペースメーカーをしている人がいるから携帯は繋がらないからね〜と誤魔化せて都合が良かったのだ
一度だけ夜中に吉原のサンクスで熱心にジャンプを立読みしているスーツ姿の薫君と遭遇した
金髪だった髪の毛は更に脱色されて白髪に近くなっていたが間違いなく薫君だった
何で薫君がここに?!っと心臓が飛び出そうになって直ぐに下を向いて走って逃げ出したのだが……冷静になって考えてみたらここは吉原
…ホストである彼がいたとこで何の違和感もないのだと気付いた
そう言えば薫君が以前養ってもらっていると話していたエース件色彼のお姉さんは吉原嬢なんだっけ…待ち合わせでもしていたのかな?…と考えながら私は鶯谷の駅までの道のりを歩いた
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狂ってた… 後半 ©著者:弓
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