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8章:カラオケボックス
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その日の営業終了後…薫君へのお詫びも兼ねて初めて私とトワと薫君の3人でアフターをした
叙々苑に行き極上カルビを薫君にたらふく食べさせた
24時間営業のペットショップに行きガラス越しの柴犬の赤ちゃんに釘付けになった
真冬の寒空の下ソフトクリームを食べながら3人で肩を組んで歌舞伎町を歩いた
最後は何故かタクシーで銀座のカラオケに行きぶっ倒れるまではしゃいだ
普段作法や立ち振舞いにうるさい代表がいないせいか?リラックスしたらしい2人は靴を脱いで…個室のソファーの上でこれでもかと言う位ピョンピョン跳ねた
なにやら意味不明な替え歌を即興で作ってはしゃいでいた
そんな2人の姿がおかしくて私は涙を流して笑った
マスカラが滲みトワにマイク越しに『パンダ〜パンダ〜♪』とからかわれた
私は幸せだった
そんな些細な事が死ぬほど幸せだった
同時に不安になった
そう…今の幸せが崩れてしまう事が
しかし幸運な事にその時私が求めていたその幸せはお金で買う事ができた
愛だとか恋だとか人の気持ちだとか……そんなコロコロ状態が変わる嘘っぱちなものじゃない
『お金』と言う輪郭のはっきりとしたこの世の中で一番普遍的な価値のあるもの
……それならこの幸せを維持するのはとても簡単じゃないか
私がもっと稼げばいい
私はこの日ある決断をした
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狂ってた… 前半 ©著者:弓
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