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5章: ディズニー(省略編) (7/8)


私はその足で銀行に行った

残高30万円を全ておろして鼻歌を歌いながらプラチナに向かった




『弓〜!今日何してたの〜?全然連絡つかないから心配したじゃんか〜』


とトワが笑顔で飛び出して来た




『あは…ごめんね〜』


と笑いながらも私は分かっていた



トワが今日私がどこで何をしてきたかを分かっている事を分かっていた




しかしそれは当たり前の事


だって私はその時既にトワの思う通りに行動する事しか出来ない人形になっていたから


トワが創った箱庭のサラサラの砂の中に刺さっている一体の小さな人形だったから


…そう、初めて目が合ったあの瞬間から私は…トワが創ったシナリオの中でしか生きれないお姫様なの



私は幸せだよトワ


貴方が決めてくれた未来ならどんな事でも喜んで受け入れるからね






『弓〜昨日のディズニーは楽しかったね〜?でもカリブの海賊休みで悲しかったよね〜また行こう?!』



と、不自然に明るく振舞いながらクルクルとマドラーを回すトワ

普段より饒舌だ



トワは私からのその言葉を明らかに待っていた




賑やかな店内の中…私とトワの心理戦が始まる




私とトワの空間だけスローモーションの様に時間も音も止まった




もうスッカリブランデーと水は交ざり合っているにも関わらず…



次の瞬間…私はマドラーをいつもの何倍も沢山回しているトワの骨張った大きな手にそっと自分の両手を添えた






『………!』




トワの手の動きが止まり同時に私の目を見つめてきた




その黒々とした瞳を見ながら私はゆっくりと口にした









『トワ…私明日からソープランドで働くんだよ』
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狂ってた… 前半 ©著者:弓

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