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1章:出会いの日
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「俺さあ〜雨の日って大好き!なんか全てがいったんリセットされる気がしない?」
「…!そ、そうですか?…私は、苦手…かな…」
…どうしよう…緊張してうまく話せない…だって…今私、こんなかっこいい人と…
きょどっているのバレたらやだな…
…今私の目の前で姿勢良く座りながらくるくると手慣れた手付きでマドラーを回しているその人は…私のそんな様子を察したのか無言のままクスッと微笑んだ
真顔のままだととても端正な顔立ちが…笑うとクシャッと潰れる
白い八重歯がチラっとのぞく
「ではではまずは自己紹介からいきますか!えー僕の名前はトワ!身長175センチ!体重は秘密!スリーサイズも秘密!…あっでも君が教えてくれたら僕も特別に教えちゃうよん♪…好きな食べ物は焼きそば系で嫌いな食べ物はマッシュルームです!…えっと君は?何ちゃんって呼べばいいかな?」
…え…何その自己紹介…
一瞬で緊張の糸が解けた私は同時におかしくなって吹き出してしまった
私が初めて笑顔を見せた事で安心したのかその人も再び笑ってくれた
「…あっ弓って呼んで下さい!本名なんで…身長は160センチで…体重とスリーサイズは…仮にトワ君が教えてくれたとしても絶対に教えません!」
「ふはは!弓ちゃんって面白いね、…で?好きな食べ物は?」
「…えー好きな食べ物は甘い物全般かな?嫌いな食べ物は貝類!…あっちなみに私マッシュルームは食べれます」
「げげ〜まじ?あれ見た目気持ち悪くない?何か生き物みたいで…俺さ、エノキとか椎茸とかは食べれるんだけど…唯一あいつだけ無理だわ〜ちなみに名前も嫌い!マッシュルームとか1人だけ外人ぶりやがって他のキノコ類の奴等を見下している!!」
「あはは!何その理由〜?そもそもマッシュルームってそんなに食べる機会なくないですか?」
彼の作ってくれたブランデーの水割りの力も手伝って…初回はそんな感じの他愛ない話で盛り上がったのを今でもよく覚えている
その日…わかった事は…彼の名前がトワだと言う事と…私が知っている限りの一般人の中では極めて容姿端麗だと言う事…
彼の中性的なルックスに反して…骨張ったやたら大きな男らしい手をしていると言う事
そしてその白い指先に綺麗に塗られたマネキュアの色と同じ様に…彼の瞳の色もやけに真っ黒だと言う事
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狂ってた… 前半 ©著者:弓
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