バタン…
東京地方裁判所第13号法廷の正面扉から手錠とロープにつながれた奴が入ってきた。結審の日。マサルの隣にシスタ-が座っていて、奴が入廷してこちらに近寄ってくると、シスタ-の手は激しく震えた。マサルは震えるシスタ-の手を両手で覆った。
裁判長が判決を読み上げる。「主文、○○○○を懲役13年に処す…」
その時だった。少しだけ横を向いた奴の顔が、こともあろうに微笑んだ。
いや、笑ったんだ。
マサルはまるで無意識であるかのように立ち上がり叫んだ。「てめえ絶対に許さねえ!オレが必ずぶち殺してやる!この野郎!てめえごら!今ここでぶち殺す!ぐわぁるわぁぁあ………… 」
ふと我に返るとマサルは法廷の外に立ちすくんでいた。シスタ-の手を振り払い傍聴席の柵を乗り越えようとして、警護係の二人に捕まえられ退廷させられたそうだ。
シスターが椅子に座り泣いていた。
通りには秋の枯れ葉が散らばっていた。あれから約10カ月長く眠れない夜を過ごした。
帰りの地下鉄のホーム。シスターはマサルの手をつかんでこう言った。
「もうおしまい。今日でみんな終わりにするの。まぁ坊がそんなだったら、ミカがいつまでも悲しいばかりよ。 ね… だからもうおしまいにしましょうね。」
マサルは大人の声でまるで小さな子どもみたく号泣した。泣きわめいた
地下鉄の轟音がマサルの泣き声をかき消していった。
東京地方裁判所第13号法廷の正面扉から手錠とロープにつながれた奴が入ってきた。結審の日。マサルの隣にシスタ-が座っていて、奴が入廷してこちらに近寄ってくると、シスタ-の手は激しく震えた。マサルは震えるシスタ-の手を両手で覆った。
裁判長が判決を読み上げる。「主文、○○○○を懲役13年に処す…」
その時だった。少しだけ横を向いた奴の顔が、こともあろうに微笑んだ。
いや、笑ったんだ。
マサルはまるで無意識であるかのように立ち上がり叫んだ。「てめえ絶対に許さねえ!オレが必ずぶち殺してやる!この野郎!てめえごら!今ここでぶち殺す!ぐわぁるわぁぁあ………… 」
ふと我に返るとマサルは法廷の外に立ちすくんでいた。シスタ-の手を振り払い傍聴席の柵を乗り越えようとして、警護係の二人に捕まえられ退廷させられたそうだ。
シスターが椅子に座り泣いていた。
通りには秋の枯れ葉が散らばっていた。あれから約10カ月長く眠れない夜を過ごした。
帰りの地下鉄のホーム。シスターはマサルの手をつかんでこう言った。
「もうおしまい。今日でみんな終わりにするの。まぁ坊がそんなだったら、ミカがいつまでも悲しいばかりよ。 ね… だからもうおしまいにしましょうね。」
マサルは大人の声でまるで小さな子どもみたく号泣した。泣きわめいた
地下鉄の轟音がマサルの泣き声をかき消していった。