≪ 飛甲戦機ジュエルバード ≫
翻訳:靖雪
2035年、戦争の起こらない世界を創る理想と、統一通貨による安定した経済発展を目指す旗の下、自治より協調を主眼とした人類初の世界政府、国際連合政府が興された。
全国家が参加する世界政府の実現により、平和を願う人類は歓喜に沸き、誰もが豊かな未来を心に描こうとしていた。
だが、蓄積された旧国家時代の問題が解消されない儘の統一は、大きな歪みを隠した器にしか過ぎず、数ヶ月もしない内に未曾有の混乱が表面化する。
数年後には前世紀の大国が世界権力を掌握し、貧富の格差は統一された頃の理念と掛け離れ、拡大してしまっていた。
不平不満を根底に抱える世界は、多発する大小の紛争と激増するテロ行為により、各国家の軍備増強を結果として生み出してしまう。
国際連合政府が、これらの問題を解決する為に選んだ政策は、諸国の軍事費増加を食い止める為、強大な国連政府直轄軍構築の費用を賄わせる事であった。
旧先進国のエリートに偏って編成された国連政府軍は、単独の国家では及ばない最新装備を施される。
その装備の中でも突出した強襲用兵器。
高性能燃料によって実現したマッハ5を越える長距離間超音速飛行能力を持ち、着地後には全高3,2mの人型へ変形、建築物へ侵入、攻撃を可能とした単座式航空車両。
ウイングアーマー(WA)だ。
◇ 注意事項 ◇
このジュエルバードと言う携帯小説は、横書きの利点として積極的に英語表現を使用しています。
存在しない架空兵器、架空政治体制を題材としている為に、説明に頼る部分があります。
また現在の延長線上の軍事を題材とし、戦闘と暴力行為に類する表現が書かれています。
前提として、当小説に登場する架空企業と架空組織、実在する国家名は、モチーフの一端として引用した物であり、現実社会の組織と何等の関係も無く、誹謗中傷の意図はありません。
◆ はじめに ◆
本作はSF戦争小説の部類ではありますが、本格的な現代兵器のリアリズムこそ重視し、超兵器のロマンを極力排した "究極のリアルロボット軍事戦記" として連載しております。
その本筋に学園を舞台とした若者達の青春ドラマが複雑に絡み合い、後々大きな影響を及ぼしていく事でしょう。
是非、アニメ的な先入観を無くした上で多くの方々に、お読み頂ければと思います。