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829章:涼の周辺3・監禁された17歳の栞
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829章:涼の周辺3・監禁された17歳の栞
(ンウゥッ!!)
薬物の影響が薄れて来た栞は目を開いたが、一面暗闇で、自身の状況が分からず、しばらく茫然としていた。
(………ッ!!)
田中の送迎する車の中で、鈴木に背後から抱きつかれ、何らかの薬物を嗅がされた事を、ようやく思い出す。
(ユッ、誘拐ィッ??)
自身の置かれている状況に気づき、咄嗟に暴れた栞は、ベッドに仰向けに寝かされ、両手が頭上の何処かに縛りつけられているのが分かった。
「フッ!!ンゥ??」
大声で助けを呼ぼうとしたが、口が何かで塞がれているらしい。
(………やだァッ??)
朧気ながら、鈴木に乳房や生脚の腿を触られていたのも浮かんだ。
(モッ、もしかしてェ??)
性の経験のない栞にも、学校教育や雑誌等で知識はあり、お尻に当たっていた気味悪い硬さが、鈴木の勃起した性器とも分かっている。
(サッ、犯《さ》れちゃってるゥ??)
躰を触られていた事や、勃起していた事から、鈴木が栞に性的な関心を持っているのは明らかだった。
(………大丈夫みたァい??)
その手の、嘘か誠か分からない話に聞く痛みや、異物感が未使用の17歳の女性器に感じられない。
(制服もォ??)
暗闇で視野が効かないが、ブラとパンティの感覚があり、腿にはスカート、腹にはブラウスのサラサラした生地が分かった。
(………お金ェ、目的の誘拐ィ??)
定かではないが、自身の処女が無事である事を確認出来た栞は、少しは安心してしまう。
…………………………
「ッ!!」
しばらくして照明が点き、栞は眩しさに美しい瞳をパチパチさせた。
「ムフ、オメメ、覚めちゃったんだァ、栞ちゃァん!!」
鈴木と、見慣れた運転手の田中に背格好は似ているが、別人の男が現れている。
「ンッ!!」
男二人の目に好色なものを感じた栞は、制服のミニスカートからスラリと伸びた腿を、慌ててピッタリと固く閉じた。
「ムヘへ、オジサン達に、エッチな事、されちゃう、って、警戒してるんだァ!!」
制服姿でもクッキリしてしまっている、発達した娘の躰のボディラインを、熱心に舐め見られている。
(ヤァァァッ!!勃起《お》っきくなっちゃってるゥッ!!)
二人の男のズボンの前が、異様に膨らんでいるのが目に入り、合わせた腿にギュッと力が入っていた。
「コッ、誘拐部屋(ここ)、大声出したって、平気だからねえ!!猿轡(これ)、要らなかったねえ??」
口を塞ぐ物を外されている。
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