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811章:涼の周辺2・液で汚された衣服とペナルティ
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811章:涼の周辺2・液で汚された衣服とペナルティ
(レポートってェ、性犯罪のォ??)
少しは溜飲が下がったが、ペナルティのレポートの事を思うと、ムカムカして来ていた。
(殴打《や》っちゃった男《ひと》ォ、脈・呼吸・血圧《ばいたる》ゥ、オッケーだったしィ、DNA鑑定のための髪の毛もォ、ちゃんとォ!!)
本来ならば、新美班員囮チームの涼(香織)の仕事でなく、同じ新美班でも、捕獲(確保)チームの仕事である。
(大体ィ、いつも捕獲《確保》チームゥ、遅いからァ!!)
レポートが嫌で、捕獲(確保)チームの到着の遅さをブツブツいいながら、すでにマンションのエレベーターホールに着いていた。
「アッ、今晩はァ??」
他の住人と出くわした涼(香織)は、あくまで、
《お嬢様女子大生》
に成り切り、にこやかに挨拶している。
(ン??お尻ィ??)
いつもは上向きに反って尖り、シャツやカットソーを突き破りそうな乳房の膨らみを見られていた。
(なんかァ、エッチなんですけどォ??)
エレベーターに乗ったが、下の階の住人らしい男の目が好色なものに思えてしまう。
…………………………
(うッわ!!液ィ、かけられちゃってるゥ!!)
先程、男の住人がニットパンツのお尻を見ていた訳が分かった涼(香織)は、一人自室で顔を紅潮させた。
(ヤダァ!!さっき涼《香織》がァ、殴打《や》っちゃう前にィ??)
背後から乳房を掴み、お尻に性器を擦りつけてた男は、涼(香織)に殴打される前に射精していたのだ。
(もうゥ!!お気に入りだったのにィ!!)
夏物マウジーのニットパンツを、一回、身につけて捨てるハメになった涼(香織)は、怒り心頭に達した。
(その上にィ??レポートってェ!!)
DNA鑑定用に、その男の髪の毛と、ニットパンツを汚した液を、小さな容器に保管した涼(香織)は、抗議・苦情のメールを新美に送信する。
(捕獲《確保》チームゥ、遅いからァ………!!)
だから自身でやむを得ず殴打したのであり、ペナルティを課せられるようなミスはやっていない、というのが概ねの内容だった。
(ウッ!!新美さんゥ!!)
新美からの返信はいつもながら迅速かつ的確で、
《捕獲(確保)チームが遅いのではありません。貴方の連絡が遅いのです。》
とある。
(確かにィ??そりゃ………!!)
言われてみれば、涼(香織)はグゥの音も出ない。
(もうゥ!!どんな人ォ!!)
女子供の浅はかな意見が正義とされる現代で、新美の人物像が気になった。
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