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796章:涼の周辺2・痴漢囮捜査3
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796章:涼の周辺2・痴漢囮捜査3
(ンゥ??捕獲チームゥ??)
連絡装置のスイッチを入れると、GPS機能も付いている為、次の駅に新美の痴漢捕獲チームが到着してるはずだった。
(ヤダァ、まだ来てくれてない訳ェ??)
通勤時であるせいもあるだろうが、他の乗客は素通りで、駅員が来るにも時間がかかりそうだ。
「ホッ、ホント、いい躰、しちゃってェ!!スッゲェッボインちゃんだな!!」
涼の周りを見回す様子に、助けを求めてるが見つからない、と思ったのか、痴漢は調子に乗り出し、萎縮した性器まで再び勃起させていた。
(涼がァ、殴打《や》っちゃうゥ??)
新美は、それを禁じる一方で、場合によっては許可もしていた。
「可愛いオテテェ、離してくれよォ、巨乳美人ちゃァん!!」
意外な程に強い涼の力に、痴漢は戸惑いながらも、リクルートスーツ越しにもはっきり分かる、素晴らしい乳房に夢中になっている。
「黙ってェ!!」
痴漢の、涼が掴んでいない方の手が伸ばされて来ていた。
「アアッ!!」
ジャケットの中に入って来た痴漢の手に、ブラウスの乳房の膨らみが掴まれて苦痛に呻く。
「タッ、堪んねえよォォォッ!!」
思わず手を離してしまった涼の乳房が揉みしだかれ、痴漢が背後に回りそうになっていた。
「ッ!!」
涼の素早い右膝の蹴りが痴漢のミゾオチを襲い、乳房から痴漢の手が離れる。
「ッ!!」
後退した痴漢が腹を押さえてかがむ前に、涼が躰ごと旋回しながら放った左足の回し蹴りが、卑劣な男の頭を捕えた。
「もうゥ!!エッチなことォ、しちゃうからよォ!!………舐めないでよねェ!!」
たちまち昏倒し、駅のホームに崩れた痴漢を見下し、涼は吐き捨てる。
(新美さんに叱られちゃうかもォ??)
思いつつも、今更やって来る駅員と捕獲チームに、軽く睨み付けながらも微笑んで見せていた。
…………………………
(痴漢囮捜査ァ??なんてェ??)
重要な性犯罪捜査かも知れないが、涼は釈然としない。
(もっとあるでしょうゥ??強姦・輪姦・ストーカーとかァ??)
警察学校を志願したのも、涼が16歳の時、何者かに危うく犯されかけた体験からであった。
(女の子ォ、動けないようにしてェ、犯《し》ちゃうゥ、なんてェ!!)
無理やり勃起男性器で貫き、精液を注ぎ込む行為そのものより、涼は卑劣さが許せない。
(あァあ!!………痴漢囮捜査かァ??)
最も憎む、最悪の性犯罪である、連続強姦の捜査につきたかった。
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