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11章:ボジョレーヌーボー解禁日に (1/1)

11章:ボジョレーヌーボー解禁日に

『ねえ、早く買って来てよ、はやく、はやく!』
『えっ、なにを?』
『今はいったい、何月ですか!そして今日は、第何木曜日ですか?
誰か、分かる人? はい、そこの君?』

今日は、木曜日。確か第3木曜のはず……。
アイツは、いつもの通りマルメラの煙草を吸いながらオレに質問をあびせかける。

『11月の、第3木曜日です。
違いますか?』
『良く出来ましたね(笑)。で、それは何の日でしょう?』
『・・・?』

学校の先生気取りのアイツの口調、ちょっと上から目線のところがやたらカーイーのを果たして自覚してるんだか、どうだか。

『分からないなら教えてあげましょう。
11月第3木曜は、じゃーん!ボジョレーヌーボーの解禁日でーす

『それで……?』
『だから、ボジョレー呑もうよ。
買って来てよ。何かホテルの外とか武装した人、いっぱいいるしパトカーや救急車走り廻ってるし……。
何かあったの?
戦争が始まったの?』

アイツに、この2015年11月13日金曜日パリ同時多発テロの背景をどう説明していいのか、オレには見当もつかない。

でも、あの時のあの男・・・パリのカフェで、13日の金曜日は決して出歩くな、と強く言い残したあの男。
イスラムの教えは、テロに反対こそすれterroristを認めるものでないと、断言していたあの男。
では、何故あの男、いやあの男の死体がテロ現場のテレビ映像に映し出されたのか?

他人の空似?

☆ ☆ ☆
『早く、買って来い(笑)!』

アイツには、I S、イスラミック ステイトも、有志連合も関係ないのだろう。
気になるのはワインの新酒、ボジョレーヌーボーの出来と、そして自分に愛をささげる男の数。

確かに、パリの街並みは爆弾や機関銃よりも、愛をささやくカップルこそが良く似合う。
しかし、どうしたらそんな街の景色が取りもどせるのか、全く分からない今のオレだった。

『ねえ、ねえ、早く買って来てよ。ボジョレーヌーボー。売り切れたらどうしてくれる(笑)!早くして〜、ワインがアタシを呼んでいる』

やれやれ、ボジョレー買いに出かけるか。

モノプリってゆう近くのスーパーにBeaujolais nouveauは、売られているのか。

でも、アイツの命令ならば、百貨店ギャルリーラファイエットまででも行かなきゃ、だし。

その時、またアイツの声、
『ついでに、マルメラ、ワンカートン買って来てよ、お願い』
あーあ。
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カフェ ド パリに酔い痴れて ©著者:化狸狂頭

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