9章:お別れ (7/8)

最後に冬馬君と会話を交わし、４人に別れを告げると、車の中へと乗り込んだ。


どんどん…どんどん…遠ざかっていくシェアハウスと４人の姿。


見えなくなるまで目一杯手を振り、前方に体を向き直すと


「シェアハウス楽しかったか？」


と、ミラー越しに私に目を向けながら父親が問い掛けた。


「うん！すっごい楽しかった！」

「そうか。最初母さんから全員男だと聞いた時は連れ戻そうと思ったが…。彩にとって成長する事や楽しい事がたくさんあったなら良かったよ。だが！次シェアハウスに住む事があったら、女性専用とやらの所にしなさい！」


と、叱られてしまった。

母親はそんな父親を「まあ、まあ」と宥めると、後部座席に体を傾け


「あの子、最後に話してた子と何かあったの？」


と、耳打ちをした。