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15章:保健室 (6/6)

中学三年生


私は3-A


嫌な人と一緒のクラスになることは無かったけど、ヒトミちゃんとも別のクラスで、話す機会は部活の時だけ…ヒトミちゃんとは次第に疎遠になっていった。


私はテストで赤点を取ること無く、良い点数を取ることも無く、派手過ぎず地味過ぎず…とにかく目立つ節が無いように、「普通」で「平均」を装って来た。



この頃には私の身長は165センチ近くになっていた。
田舎で、ここまで大きい女性はあまりいなかったから、これもまた、目立つ事の無いように猫背で紛れてやり過ごした。



小学生の頃に私を標的にしていた順子達は、もう恋愛の事で頭がいっぱいの様子で、休み自覚には鏡を見て化粧を直したり、雑誌を読んで服を見たり…。

他の女の子も、
アレが欲しい
アレが可愛い
誰が格好良い

なんて話題が校内を埋め尽くす。


男の子達も
誰と付き合ってるのか
もうヤッたのか
AV女優の誰が好きか

そういった色恋沙汰が多い。



私は会話に混じっても同じテンションで話せない。
その「恋愛」の、気持ちが全然分からないから。
興味が無いわけじゃない。
でも…好きな人は、いない。



いつ、
『あなたは、好きな人いる?』
って質問が飛んでくるかも分からない。



頭の上を「恋愛」と言う名の爆弾が飛んでいて、当たらないように身を屈める。
休み時間を告げるチャイムは、空襲警報…。
爆弾に当たれば、上手く出来る自信は、ゼロ。



中学三年ともなると、卒業が近い。
卒業までに皆、誰かと付き合って思い出を残したいみたい。

必死さが伝わって来る。



空襲が激しくなれば、ここに居るのは危険。
保健室も、頻繁には使えない…そろそろ別の避難場所を確保しないと。




『やっぱり外かなぁ…』
小さな独り言を残して、私は避難の確保に乗り出した。
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体とは ©著者:みゆき

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