21章:修羅 (2/2)

私の人生は
戦いの中に
あった

徹底的に敵を潰し
裏切り者は葬った

他人を踏み台にし
情を捨て

私は勝者になった

友を見捨て

親代わりの人にも
死んでもらった

私はまるで
人間に復習するかのように
屍の山を築いた

やがて…
私はトップに立った


そして…


裏切りが待っていた

唯一の腹心に
妻を寝取られ
逃げられた

次々と出てくる不正！

私は驚愕し落胆し
２人を追い詰めて
始末した

１８年後…

あの世の２人に
見せつけるかのように
妻と男の間に生まれた
女の子を籠絡した

しかし惚れたのは
私の方だった

純粋な心と
若々しい肉体に
私は溺れた

吹雪のなかで
やっと見つけた
温かな１軒家

どんなに辱めても
どんなに傷つけても
その子は私を慕った
まるで子犬のように
まるで我が子のように

当たり前だ！

私とその子が
実の親子だと
知ったのは…

その子が妊娠した
後だった

近親相姦の結果

水頭症で
赤ん坊を亡くし
愛する女も失い

私は孤独になった

今や
私の周りにいるのは
化け物ばかりだ

私が富と地位を
ひけらかした結果
それを目当てに
集まって来た猛禽

血塗られた
私の人生と
同じように
血に飢えた
餓狼の群れ

それは
矮小な私の影だ！

先ほど弁護士を通じて
こいつらを破産させる
手続きを取ってやった

戦う相手が
いなくなって
雑魚を潰す

わはははは
乾いた笑いが
こみ上げる

救われなかった
荒ぶる男の
置き土産は


爆弾だ！